みずうみにすんでいる女の子は
キスがへたくそで色白で
酸素のいろや木漏れ日の匂い
澄んだ朝の空の温度なんかにくわしいけれど
マニキュアの冷たさや
つま先の孤独なんかは知らなかった
毎日すこしずつ髪が伸びるのを
とても不思議に思っていて
ふたつに分かれた毛先の間に
星が落ちるのを見たってさ


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夜の海にすんでいる女の子は
マシュマロのような白い胸と
流星のようなまつげが自慢
黒いレースのドレスをまとって水をはねて
ちいさな魚を誘惑するのが特技だった
毎日星屑をひとつ飛ばしているのは
みずうみにすんでいるあの娘へのラブレター
でも返事がきたことはない
それでもひたすらブルーの指先は
はぐれてしまった星屑をはじいているのです






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